2018-08-27 盆の月 鈍行俳句 ○枕辺に十六日の盆の月 (まくらべにじゅうろくにちのぼんのつき) ○墓閉じし里の暮しに盆の月 秋甫 ○盆の月縁薄しと思ひしや 々 ○阿波の山越し来て見える盆の月 々 夕 原民喜 わたしはあそこの空に見とれてゐる。今の今、簷近くの空が不思議と美しい。 一日中濁った空であったのが、ふと夕ぐれのほんの一ところ、かすかな光を おび、淡い青につつまれてゐる。痛み呆けたはての空であろうか。幻の道の ゆくてであろうか。あやしくもかなしい心をそそるのである。