青木の実

     ○青木の実おらおらでひとり生ぐるも
(あおきのみおらおらでひとりいぐるも)

       ○声出せばきっぱり物言う青木の実   秋甫
       ○青木の実独り暮しを葉に隠す     々
       ○青木の実シベリウスなど聞いてゐる  々
 2017年の芥川賞を取った若竹千佐子氏の「おらおらでひとりいぐも」をちょっと拝借した。青木の実は千両に比べて繊細さや可愛さに欠ける趣がある。例えゴロンとした実になっているにしても女性には赤い実が着く機会がある。氏の第二作目のことなど耳にするが果たして書けるのだろうか。
 青木の実には繊細なデリカシーとは少し距離を置く実のような印象をもっているが。音楽でいうならシベリウスの「フィンランディア」が奏でられているような雰囲気かな。